人をその気にさせるためには、相手が望んでいることを読み解く能力がいります。
- 相手は何をしたいと思っているのか
- 相手は何をしたくないと思っているのか
まずこの2点を見抜いていきましょう。
『人を動かす』の著者であるカーネギーは、人を動かす能力を魚釣りに例えています。
「魚を釣るなら自分の好物の事は考えずに、魚の好物であるミミズを付けて差し出すべきである」
確かに言われてみればごもっともですが、多くの方にこの言葉はハッとさせるものがあるのが事実です。
相手を動かすなら相手の「好物」を差し出す
部下を上手に動かす上司は必ず部下が何をしたいと思っているのか、何をしたくないと思っているのかについて考察します。
例えば部下が中々成果を出さないとき、上司としては部下を叱責して何とか動かそうとしたくなるものです。
「君は何でこんな簡単な事もできないんだ!俺は君ぐらいの年齢のときは上司に言われる事は全部メモにとったし、残業をして仕事を片付けるぐらいしたんだぞ!」
貴方は自分の経験を元に部下を叱責したとき、部下には全く響いていない事に気が付くべきです。
部下は「残業をしたくない」と考えており「本当は営業じゃなくて広報にいきたい」と考えているからです。
だからどんなに叱責をされても部下はやる気が出ずに動きません。
部下を上手に操作するためには、部下がやりたいと考えている事を汲んで相手を操作しなくてはいけません。
この場合「君が広報に行きたいと思っているのは分かっている。でも今いる部署で業績が上がらないものを推薦はできない。だからまずは今月の営業成績を達成する事を君の最初の目標として頑張ってみないか。残業も難しいならアシスタントをつけるし業務効率化について意見があれば聞かせてほしい」
このように言われたら部下は、そこまで自分のやりたい事の意をくんでくれる上司の言う事なら、頑張ってみようと思うのです。
人を動かすためには、相手がやりたい事、やりたくない事を「餌」にする事が最も早い操縦方法なのです。